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ここ数ヶ月、肩こりがひどく頭痛まで伴うようになりました

Q.
ここ数ヶ月、肩こりがひどく頭痛まで伴うようになりました(40代/女性)
A.

肩こりに頭痛が重なると、仕事も家事も思うように進まないし、気持ちまで重くなりますよね。つい「年のせいかな」「我慢すればそのうち…」と思いがちですが、原因を整理して手を打つと放っておくより早く楽になることもありますよね。ここでは、どんなタイプの頭痛が隠れているか、治し方の選び方、毎日できる予防、そして急いで受診してほしいサインまで、順にお話しします。

まず、頭痛のタイプと見立てです。初めに紹介するのは緊張型頭痛です。両こめかみから後頭部にかけて、ぎゅっとしめつけられるような痛みで、肩や首のこりとペアになりやすく、長時間のパソコンやスマホ、同じ姿勢、ストレスで悪化します。さらに、首そのものの関節や筋肉の不調から起こる頸や頸椎性の頭痛もあります。首を動かすと痛みが強くなり、振り向きにくい、上を向きにくいといったサインが手がかりです。また、もともと片頭痛の体質がある方では、肩こりが引き金になって、ズキンズキンと脈打つ痛みや吐き気、光や音がつらいといった症状が強まることがあります。加齢や姿勢のくせで首の骨や椎間板に負担がかかると、しびれや動かしにくさを伴って後頭部が重くなることもあります。度の合わないメガネや、ノートパソコンを見下ろす姿勢が続くなど、目と姿勢の問題だけでも頭痛の土台になります。

次に、治療の選び方です。まずは痛みを落ち着かせるためにおなじみのお薬です。アセトアミノフェンやロキソニンなどのNSAIDs(いわゆる痛み止め)は役に立ちますが、使いすぎると「薬のせいで頭痛が増える」ことがあります。あくまで目安ですが、痛み止めは月に15日、トリプタンなど片頭痛の頓挫薬は月に10日を超えない範囲におさめると安心です。なお、気管支喘息や腎臓病など基礎疾患のある方はかかりつけの先生にご相談ください。同時にとても大切なのが、痛みの土台を直すことです。ポイントは姿勢を支える筋力づくりです。首の奥の筋肉(深頸屈筋)をゆっくり鍛える練習や、肩甲骨を大きく動かす体操、必要に応じた理学療法士の関節の動きの調整を組み合わせると、マッサージだけよりも長く効果が続き、ぶり返しにくい体に近づきます。睡眠リズムの乱れやストレス反応対策も頭痛予防のスイッチとなります。ストレッチなどの軽い運動やベッドに入る2時間ほど前のぬるめの入浴、深呼吸や短いマインドフルネス、前向きな考え方を取り入れ、睡眠を整えると、頭痛の回数そのものが減っていきます。一方、頭痛の方の一つ、片頭痛が混ざるタイプでは対策が少し変わります。発作のときはトリプタンや痛み止めを正しく使い、発作が多いなら予防薬を検討します。従来の予防薬に加えて、専門科ではいろいろな薬も選べるようになり、発作日数や生活の支障をしっかり減らせる方が増えています。首や肩のリハビリと片頭痛の予防治療を同時に進めること、毎日の予防と治療は同じくらい大切です。

日々の姿勢としては、テレビの視聴やお仕事中など、ディスプレイ画面は目線より少し下、距離は40〜70センチを目安に置きましょう。いすの背にもたれて足裏を床にぴたっとつけます。30分から1時間ごとに立ち上がって、首や肩を回し、腕を上に伸ばします。また、スマホっ首の軽く見ることはできません。スマホは顔に寄せすぎず、胸より少し上で持つと首が楽です。毎日5〜10分の首から肩甲骨のストレッチ、週3回ほどの早歩きや自転車などの軽い有酸素運動は、血のめぐりと気分の両方を整えます。睡眠は「いつも同じ時間に明るい光で起きる」を合言葉に。どんな時に痛くなるのか、簡単な頭痛日記をつけてみると、自分のパターンが見えて対策が立てやすくなります。

さて、最後に、すぐ受診してほしいサインです。突然の激しい頭痛で「今までで一番ひどい」と感じるとき、頭を打った後に出てきた頭痛、言葉が出にくい、ろれつが回らない、手足のまひやしびれ、ふらつき、物が二重に見える、意識がもうろうとするなどの神経の症状が一緒にあるとき、発熱や首の強いこわばりを伴うとき、がんの治療中や免疫が落ちている方の今までに経験したことの無い新しい頭痛は、迷わず医療機関へ。こうした場合は画像検査が役立ちます。一方、普段の肩こり頭痛だけでレッドフラッグがないなら、画像検査は不要なことが多く、まずは生活と筋力の土台づくりが近道です。

まずはかかりつけの先生や理学療法士さんに相談してみるのはいかがでしょうか?生活・睡眠・服薬・姿勢までを一緒に整理できることでしょう。首の症状が強い、あるいは首が原因と考えられる場合は、整形外科のリハビリに橋渡しし、深い首の筋肉と肩甲帯のトレーニングで「頭痛予防の土台」を整えます。片頭痛が疑われるときは、脳神経の近隣専門外来とも連携して精密検査や専門的な治療につなげ、切れ目のないサポートを受けることができるでしょう。

肩こりと頭痛は、体と心からのサインです。どれか一つを完璧にするより、気づいたところ、できることから始めませんか?姿勢、筋力、睡眠、ストレス、薬の使い方を少しずつ整えていくのがいちばんの近道です。我慢を重ねるより、あなたの生活に合う無理のない計画を一緒に作っていきましょう。 啓和会では医療と介護の融合で皆様の困ったと向き合ってまいります。まずは内科外来にご相談ください。必要に応じて整形外科リハビリや脳神経の専門外来と連携し、安心して続けられる治療の道筋を歩んでまいりましょう。

【参考】
The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition (ICHD-3). International Headache Society. 2018.
https://ichd-3.org/
NICE Clinical Guideline CG150: Headaches in over 12s: diagnosis and management. National Institute for Health and Care Excellence.
https://www.nice.org.uk/guidance/cg150
頭痛の診療ガイドライン2021(日本神経学会・日本頭痛学会 ほか)
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/headache_medical_2021.html
片頭痛の最新治療(CGRP関連)
Neck Pain Clinical Practice Guidelines (Revision 2017). Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy / Orthopaedic Section, APTA.
https://www.jospt.org/doi/10.2519/jospt.2017.0302
https://orthopt.org/uploads/content_files/files/Neck%20Pain%20CPG%20-%20Revision%202017.pdf
CDC/NIOSH. Computer Workstation Checklist(画面距離・高さなど)
https://www.cdc.gov/niosh/media/pdfs/Computer-Workstation-Checklist.pdf
https://blogs.cdc.gov/niosh-science-blog/2020/11/20/working-from-home/

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